琉球舞踊写真集 舞踊家のご紹介7

最後にご紹介するのは、仲嶺夕理彩さん(「柳」)。

実は依頼時には知らなかったのですが、「柳」は彼女の流派のお家芸とのことです。知らずに依頼したのは奇跡というべきでしょうか。奇跡と言えば、撮影を始めようとしたときに、撮影現場の足元をヒラヒラと蝶が飛んでいました。すると、仲嶺さんはすらすらと「飛び立ちゅる蝶(はびる)、先づよ待てぃ連りら」と、まさに「柳」の歌詞を口ずさんだのです。「柳」の撮影開始時に「柳」の歌詞と同じ現象。この撮影はもう成功したも同然です(特技は早合点です)。

柳は、いくつかの小道具を使いながら踊ります。そのため、小道具と場所を替えながら撮影しました。実際の踊りの流れとはまったく違う順番で撮影しましたが、戸惑われる様子もなく、美しい踊りを披露してくださいました。

柳は、その歌詞から、教訓的な意味が含まれていると解釈することもできるため、ベテランの方のほうが合うのだろうかと考えたこともありましたが、あえて今回の7人の中で最年少の彼女に踊っていただきました。教訓歌をまさに教訓のように踊ることも良いのかもしれませんが、彼女の持つ若さと純粋さから、逆に柳という踊りの奥行き、広がり、美しさが増したように、撮影しながら感じることができました。

努力家で華があり、コミュニケーション能力も高い彼女との撮影は、とても充実した、カメラマンとしても勉強になる時間となりました。その撮影結果は、写真集に掲載した写真のとおりです!

今後の琉舞界を背負って行かれる方だと、勝手に期待しております。今回の写真は、そんな彼女の今の瞬間を切り取った貴重なものになること間違いなしです。

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