琉球舞踊写真集 舞踊家のご紹介5
次にご紹介するのは、儀間佳和子さん(「かせかけ」)。
「かせかけ」は、夫のために着物を織る女性の踊り。沖縄芝居の役者としてもご活躍の儀間さんは、曲がったことが嫌いな芯の強い女性を演じることもよくあります。そんな彼女なら、嫁いだばかりの不安や辛さを抱えながらも、夫を支えようという強い意志を持っている、そんな人間味をも感じさせる女性として踊られるのではないかと思い、かせかけを依頼させていただきました。
撮影場所は世界遺産の識名園。舞台上でもとにかく華がある儀間さんの踊りは、識名園の雰囲気や木漏れ日と相まって、まさに神がかっているような瞬間がたくさんありました。そんな瞬間を見て、たまたま通りがかった観光客がカメラを持って私の前に飛び出してきて、写真を何枚も写したほどです。
かせかけという踊りに込めた思いが体から溢れ、撮影中にすでに「これはすごい写真になる!」と思いながらシャッターを切っていました。識名園を選んだのは、沖縄の家を背後に写し込むことができるからです。着物は家の中で織るもの。本来なら外で撮影するのはリアルではないかもしれませんが、そのような違和感をまったく感じさせることのない素晴らしい存在感でした。その撮影結果は、写真集に掲載した写真のとおりです!
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